本紹介

童謡から改めて感じる歌詞のチカラ

皆さん、童謡をしみじみと聞いたことがあるでしょうか?
しみじみとはないなぁ

という方が多いのではないでしょうか。

子育て中の方なら、もしかしたらあるかもしれません。
私は子どもが時々園で童謡を覚えてくるので、その時に、童謡の歌詞を改めて感じてしみじみします。慌ただしい子育ての中の、愉しみの一つかもしれない、なんて思っています。今回はその中でも2つ素敵な童謡を紹介します。

例えば、「うれしいひなまつり」。

あかりをつけましょ ぼんぼりに
お花をあげましょ 桃の花
五人ばやしの 笛太鼓
今日はたのしい ひなまつり

お内裏様と おひな様
二人ならんで すまし顔
お嫁にいらした 姉様に
よく似た官女の 白い顔

金のびょうぶに うつる灯を
かすかにゆする 春の風
すこし白酒 めされたか
あかいお顔の 右大臣

着物をきかえて 帯しめて
今日はわたしも はれ姿
春のやよいの このよき日
なによりうれしい ひなまつり

最初は、あの雛飾りを見ていて、そこにあかりをつけ、お花をあげ、音を感じます。

次に雛飾りの最上段をみて、ツートップであるお内裏様とお雛様を見た後に、彼らに仕える官女を見、そして自分の家族と照らし合わせます。

私が好きなのは3番です。ここで雛飾りの人物紹介ではなく、家族を思い出すのでもなく、金の屏風にうつる灯をかすかにゆする春の風と、風景の描写にうつるのです。その美しい描写に対し、酔っぱらいの右大臣のちょっとだらしない姿が春のちょっと浮足立った感を出していてステキです。

ここまで来て、ラストに自分を持ってくるのです。自分もおめかしして着物を着て帯をしめて、にこにことお出かけするイメージです。
なによりうれしいひなまつり、と。

そしてタイトルは1番のたのしいひなまつりではなく、最後のうれしいひなまつりを持ってくるところが妙だと思います。
サトウハチロー先生、さすがっす。詩として美しい。子どものころはその趣を感じられていなかったけれども、大人になっても感じられる良さを持っている。さすがです。

もう一つ紹介しましょう。
「雪」

雪やこんこ あられやこんこ
降っては降っては ずんずん積もる
山も野原も わたぼうしかぶり
枯木残らず 花が咲く

雪やこんこ あられやこんこ
降っても降っても まだ降りやまぬ
犬は喜び 庭かけまわり
猫はこたつで丸くなる

2番の方が有名な歌だと思います。でも、1番の描写の美しさよ。
雪やあられがもっと降ってほしいとこんこといい、どんどん降って積もる様子を
ずんずん積もるというオノマトペで表現しています。
私が好きなのはこの後である。山も野原もわたぼうしかぶり、
と雪がたくさん降って本当は重いはずだけど、まるで綿帽子をかぶっているような様子であるとあえて描写し、そして、「枯木残らず花が咲く」、である。

枯木が雪で華やかになっている様子を花が咲く、と断定しているのである。
うん、美しい。美しいよハチローせんせー!と思ったら、Wikipedia情報によると武笠 三(むかさ さん)さん作詞らしい。「さん」さん、言いにくい。三男だったのかな。と思ったら、長男だったらしい。ややこしい。

ややこしいとか、言いにくいとか生前もたくさん言われたのでしょうね。
きっとそうだね。

と、ハイセンミセスが独断と偏見で童謡について語ってみました。

童謡の本、色々ありますが、楽譜もついているこちらがおすすめです。

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自分が知らない童謡でも、楽譜があるとメロディーが分かって便利です。

どうようはいいよう…

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ハイセンミセス
お仕事と育児にふんとうしているハイセンの少しおかしなミセスです。
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